
はい! マナビトです。今回の参考書籍はシリーズ600万部の大ベストセラー「嫌われる勇気」です。フロイト、ユングと並ぶ心理学三大巨匠の一人、アドラー。そのアドラーの心理学を哲人と青年の会話で分かりやすく解説している本書。まだ、読んだことのない方、読みはしたけど忘れてしまった方へ向けて本ブログでは要点を絞ってさらに分かりやすい解説を試みようと思います。それでは、いってみましょう!
前回のかんたん振り返り
前回のテーマは『人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである』でした。
人間は他者と切り離して生きることはありえないことです。例え、人間関係を断ち切って無人島に暮らしていても、海の向こうの見ず知らずの人間を思い悩むことでしょう。無人島で誰とも関らず独りぼっちと孤独を感じることにも他者を必要とします。つまり、自分一人だけで感じる「内面の悩みは存在しない」でしたね。詳しくは過去記事をご覧ください♪ 今回のテーマは『 劣等感とコンプレックスは同じ意味ではない!? 劣等感はプラスになる!』です。早速、一緒に学んでいきましょう!
アドラー心理学 劣等感と劣等コンプレックス

劣等感と劣等コンプレックス!? 同じではないのですか?

多くの人が劣等感とコンプレックスを同義だと誤って認識していますが、別物です。
劣等感とコンプレックスの意味を確認していきましょう。
【劣等感とコンプレックスとは】 劣等感|「価値(Wert)」が「より少ない(minder)」「感覚(Gefühl)」という意味 コンプレックス|複雑に絡み合った倒錯的な心理状態を表す用語
劣等感とコンプレックスは、全く別物ですね。では、劣等コンプレックスとはどんな意味でしょうか。
【劣等コンプレックスとは】 劣等コンプレックス|自らの劣等感をある種の言い訳に使い始めた状態のこと 例)「AだからBできない。」

アドラーが「人格心理学」のなかで劣等コンプレックスを強調したところから、本来のコンプレックスとは異なった理解である「コンプレックスと劣等感は同義」という誤った考えが広まったのではないかと言われています。

でも、劣等感と劣等コンプレックス。やっぱり似ていますよね〜違いがあるのでしょうか??
劣等感をプラスの面もあるが、劣等コンプレックスは陥ると抜け出しにくい

劣等感にプラスの面? どういうことでしょうか?

例えば、プレッシャーに弱いという劣等感を持っているとします。
劣等感をプラスに変える例をみていきましょう。
【劣等感をプラスに変える例】 スポーツの試合でいつもプレッシャーに負けて、良い結果が出せない。 →プレッシャーに弱いという自分(劣等感)。だからこそ、練習を繰り返してプレッシャーに負けないように体に実践の動きを叩き込むのだ! →実際の試合も厳しい練習の延長線上と考えプレイに望むことができた。勝利という結果もついてきた。
同様の例で劣等コンプレックスをみていきましょう。
【劣等コンプレックスの例】 私はプレッシャーに弱いから(Aだから)、試合に勝つことができない(Bできない)。

劣等感をプラスはプロのスポーツ選手からもよく聞く話ですね。私は他の選手より劣っているから数倍も練習しているとか聞きますね。劣等コンプレックスは、何か負け惜しみを言っているような印象です。

そうなんですよ。劣等感はプラスに変えることができるということは理解していただけたでしょうか。一方劣等コンプレックスはさらに一段進んだ段階になることもあります。
劣等コンプレックスから優越コンプレックスへ

優越コンプレックス? 初めて聞きました。

劣等感を抱え続けていることは楽なことではありません。苦しいことです。だからと言って劣等感を努力や成長といったプラスの力に変えるのも嫌だ。そうなるとでくるのが「優越コンプレックス」です。
劣等コンプレックスは優越コンプレックスと繋がっています。「A だからBできない」今回の例でいくと「プレッシャーに弱いから試合で結果が出ない」ですが、それも受け入れ難い。そこで最も簡単な方法で自分を補償しようといます。それは、「あたかも自分が優れているかのように振る舞い、偽りの優越感に浸る」これが、優越コンプレックスなのです。先程の劣等コンプレックスの例と比較してみましょう。
【劣等コンプレックスの例】 私はプレッシャーに弱いから(Aだから)、試合に勝つことができない(Bできない)。 【優越コンプレックスの例】 私はプレッシャーの弱ささえなければ、試合でも勝つことができる有能で価値のある人間だ。

負けた言い訳からさらに、自分には隠された能力があるが発揮されていないだけだ! 厨二病みたいだ・・・

もっと言えば、できない・不幸な状態を武器にし出すのです。

不幸を武器に!? なななんと!!
アドラー心理学 不幸自慢で自分を「特別化」

これも「プレッシャーに弱い」ということを例にして解説していきましょう。

プレッシャーに弱く、また試合に負けました。ちくしょー。この気持ちは誰もわかってくれないだろう。

マナビトさん、そんなことないですよ。次頑張れば良いではないですか。

テツヒトさんに、プレッシャーに弱い人間の気持ちが分かるものか! まったく!!

おぅふ・・・
マナビトがこのように他者の慰めを拒絶したなら、誰も何も言えなくなってしまいます。周囲の人もマナビトに関わるのに慎重になるでしょう。こうやって、マナビトは周囲に気を使わせて優位に立ち、「特別」な存在になることができました。プレッシャーに弱いという自らの不幸を武器にして、相手を支配しようとしています。
確かに、「プレッシャーに弱く試合に勝てない」という弱さ、「あなたには私の気持ちは分からない」ということは客観的にみても一定の事実ではあります。しかしながら、そうやって自らの不幸を「特別」のものと武器にしていると、その人は永遠に不幸を必要としそれに依存することによって抜け出しにくくなるのです。
アドラー心理学 まとめ
最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。劣等感とコンプレックス、一緒のものだと私は思っていました。あなたはいかがでしたか? そして、劣等感はプラスに働くということも納得。私の好きなプロ野球選手で広島カープ・ニューヨークヤンキースで活躍し、引退した黒田博樹投手はこのようにいっています。
不安だから練習すると思いますし、恐怖心があるからここまで来られたのではないかと思う。
黒田博樹の名言30選
あの堂々とした大投手もジャイアンツのような強大なチームと対峙するとき、劣等感やプレッシャーと戦いながら結果を残してきたというのは勇気をもらえていました。私たちも劣等感を成長や努力のエンジンとして活用したいですね。反対に劣等コンプレックス・優越コンプレックスに陥るのは注意しなければなりません。今と向き合い、自分自身を変えることは可能です。今、考えて行動していきましょう!
それでは、また!
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