
ハイ! マナビトです。今回の参考書籍は大ベストセラー「嫌われる勇気」の続編! 国内合計307万部、世界合計700万部の「幸せになる勇気」。フロイト、ユングと並ぶ心理学三大巨匠の一人、アドラー。アドラー心理学を哲人から教わった青年はその後アドラー心理学を実践し、3年後哲人を再び訪ねるのですが、アドラー心理学は理想論であって実践的ではない! ペテンだとまくし立てます。そこで、哲人は言います。「多くの人々はアドラー心理学を誤解している」と。まだ、読んだことのない方、読みはしたけど忘れてしまった方へ向けて本ブログでは要点を絞ってさらに分かりやすい解説。それでは、いってみましょう!
前回のかんたん振り返り
前回のテーマは『「変わること」は大きな決断』でした。
変わることは大きな決断とは、今までの自分を切り捨てて、つまり死を意味しておりそこから新しい自分を生み出すと言うこと。「集中すべきは、いま」でしたね。「変わることはそれまでの自分の死を意味すること」と聞いたら、大きな決断を迫られていると感じますね。「いまの自分」が過去をどう意味付けるかによって、捉え方が変わってきます。なぜなら、過去とは、取り戻すことのできないものではなく、そもそも「存在していない」からでしたね。詳しくは過去記事をご覧ください♪ 今回のテーマは『「魔法はない。」これからどうするか』です。早速、一緒に学んでいきましょう!
アドラー心理学 「いま」が過去を決める

過去は存在しない!? そんなことってありますか?? 嘘を教えないでください。説明してくださいよー! って前回聞いたら次回をお楽しみーってなりました。続きを教えてください。

過去は存在しません。過去というのは、「いま」の捉え方によって変化していきます。言葉本来の意味での過去は存在しないのです。

つまり・・・? じゃ、歴史の勉強とか過去に学ぶとかっていうのがどうなんですか? あれも意味がないのですか?

歴史とは常に勝者が書き換えていくものです。例えば、権力者に刃向かった反乱者が勝てば英雄でしょうし、負ければ反逆者。「勝てば官軍負ければ賊軍」です。つまり、「いま」が過去を決めているのです。
個人も過去を「いま」の状況によって書き換える
歴史という大きな過去と同様に個人も過去を書き換えます。誰もが「わたし」という物語の主人公であり編纂者であり、「いまのわたし」の正当性を証明するために、自由自在に過去を書き換えていくのです。次の例をご覧ください。
【過去に大ケガを負ったアスリート】 「いま」が順調である場合|あの大ケガを乗り越えたから、いまのわたしがいます。自分を見つめ直すことができましたし、精神的にも強くなれました。 「いま」が逆境の真っ只中の場合|あの大ケガさえなければ、わたしはもっと活躍していたはずなのに・・・ あの時、トレーナーがちゃんとしてくれていたらこんな状況ではなかったはずだ・・・
過去の出来事に対して、人は記憶をしています。今まで経験してきた膨大な記憶の中から「いまの自分」の目的に合った情報だけを選択して自分の物語を編集しているのです。そして、いまの「目的」に合っていない記憶は消去しているのです。まさに、「いま」が、過去を決めているのです。
アドラー心理学 悪いあの人、可哀想なわたし

でも、過去のトラウマなど強烈な体験によって縛られることもありますよね? 「いま」の自分が過去を決められていないように思えるのですが。

それは、過去に縛られているのではなく、「不幸な過去を自ら必要としている」のです。少し強い言葉で言えば、悲劇の主人公である自分を必要としているのです。また、トラウマはアドラー心理学では存在しません。詳しくは過去記事をご覧ください。

「悲劇の主人公である自分を必要としているのです。」って!? それは流石に言い過ぎではないでしょうか? 皆が強いわけではないのですよ。ひどい人だ!!

マナビトさん、逆ですよ。私は人間の可能性を強く信じています。だからこそ、悲劇の主人公であることを否定します。
アドラー心理学 対人関係の相談事は2つしかない!?

対人関係の相談事は2つしかない!? そんなバカな! 対人関係って複雑じゃないですかーー! 2つってことはあり得ないのではないですか?

いえ。2つです。
対人関係での相談事とは2つしかないとは、どういうことでしょうか。さまざまな理由はありますが大きくは2つです。
【対人関係の相談事】 1.「悪いあの人」を非難すること 2.「可哀想なわたし」をアピールすること
前述した【過去に大ケガを負ったアスリート】の例を思い出してください。
「いま」が逆境の真っ只中の場合|あの大ケガさえなければ、わたしはもっと活躍していたはずなのに・・・ あの時、トレーナーがちゃんとしてくれていたらこんな状況ではなかったはずだ・・・
「可哀想なわたし」と「悪いあの人」について語っていますよね? 結局のところはこの2つに集約されていきます。その二つを掘り返して話しても、そして聞いてもあまり意味のないことなのです。なぜなら、過去は存在せず、重要なことは「いま」なのですから。
アドラー心理学 これからどうするか

過去はない、話しても意味がない。一体、どうしたら良いでしょうか? 得意のアドラー心理学で何とかならないものでしょうか?

残念ながら、アドラー心理学に魔法はありません。重要なことは「これからどうするか」だけです。
アドラー心理学に魔法はない。重要なことは「これからどうするか」だけ。
これからを真剣に考えるのにその人となりという過去を知る必要はないのか? 答えは過去を知る必要はありません。「目の前にいるその人」がいれば十分であり、過去は「いま」によって書き換えられますので知ることはできません。アドラー心理学とは、建設的で科学的な人間への尊厳に基づく、人間知の心理学なのです。
アドラー心理学 まとめ
最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。歴史とは常に勝者が書き換えていくものです。例えば、権力者に刃向かった反乱者が勝てば英雄でしょうし、負ければ反逆者。「勝てば官軍負ければ賊軍」ということは理解していたつもりでしたが、それが個人にも当てはまるとは考えもしませんでした。「いま」の自分が過去の出来事は自由自在に編纂できるのであれば、他者にその過去が正しいか正しくないかということはわかりませんね。重要なことは「いま」! そして、「これからどうするか」です。これから学んで考えて行動していきたいですね。あなたも「いま」に集中して「これからそうするか」を考えて行動していきましょう♪
それでは、また!
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