
はい! マナビトです。今回は累計30万部の「テク」シリーズ『ムダを減らして、増やして安心! お金の使い方テク』です。最近、書籍やyoutubeでお金の知識を学ぶ人が増えていますね。投資にあまり興味のなかった人も政府の老後2000万円必要という発言で、初心者でもNISAやiDeCoを活用するなど資産形成を意識する人が増えています。中でもFIRE(financial independent retire early)経済的自由をして早めに引退しよう! というのは資産形成を目指す多くの人も目標になっています。
前回のかんたん振り返り
前回は『将来のために資産運用 ④ 投資の黄金ルール』でした。投資の黄金ルールの2つは、「ドルコスト平均法」と「分散投資」です。いずれも分散することによりリスクを抑える方法です。
【投資の黄金ルール】 ドルコスト平均法|「定量(口数)」ではなく「定額(金額)」を積み立てること。 例)仮に10万円を投資する際に、一括で10万円投資するのではなく月1万円を10回に分けて投資し積み立てること 分散投資|投資先を一つに限定せず、複数の投資先に投資すること 例)10万円を投資する際に、A社に10万円投資するのではなくB社・C社・D社と投資先を分散すること
投資初心者が行うリスクを下げながら行う投資手法のポイントは「長期・積立・分散」でしたね。詳しくは過去記事をご覧ください♪ さて、今回は最終回!『将来のために資産運用 ⑤ 老後資金のための積立投資』です。それでは、一緒に学んでいきましょう!
資産運用 賢く貯めるコツ

投資初心者は「長期・積立・分散」かぁ。一攫千金を狙う投資ではなく、老後のためにコツコツ貯めたいので、私には長期でドルコスト平均法で分散投資が良いのが分かりました! ウッチーさん、ありがとうございます! それでは、また!

マナビトさん、最後にその「長期・積立・分散」投資を行うための国が作った制度をご紹介します。それが冒頭に度々登場するNISAとiDeCoです。
マナビトのように、老後資金のためにコツコツとなるべくリスクを抑えて資産運用をしたい方にお勧めなのが、iDeCo(個人型確定拠出年金)とつみたてNISAです。投資は自己責任ですので、しっかり学びそれぞれの特徴をみていきましょう。
iDeCo | つみたてNISA | |
主な商品 | 投資信託、定期預金、保険 | 一定の条件を満たした投資信託、ETF(上場投資信託) |
投資目的 | 引退後の老後資金 | 子どもの教育資金、引退後の老後資金など自由 |
投資方法 | 定期的・継続的な購入 | 定期的・継続的な購入 |
節税ポイント | 運用益が非課税、掛け金が所得控除 | 運用益が非課税 |
投資期間 | 60歳まで(運用は70歳まで可能) | 20年間 |
出金時期 | 60歳以降 | いつでも可能 |

iDeCoは老後資金という明確な目的のため、60歳以降出ないと出金できないという資金拘束があるから、お金が入り用になっても引き出せないデメリットもあるので注意が必要です。
iDeCo(個人型確定拠出年金)

個人型確定拠出年金? 日本語でお願いします!

マナビトさん、日本語ですよ。漢字が長いので区切ってみていきましょう。個人型 / 確定拠出 / 年金 です。個人が自らの責任において資産の拠出・運用をする年金。自分で育てる年金です。

自分で育てる年金なんですね。
iDeCoは掛け金月々5000円から1000円単位で拠出できます。上限については、働いている状態によって変わりますので、あなた自身の条件を確認しましょう。
加入資格 | 拠出限度額 |
第1号被保険者 自営業者など | 68,000円/月額 (年間816,000円) |
第2号被保険者 | |
会社に企業年金がない会社員 | 23,000円/月額 (年間276,000円) |
企業型確定拠出年金に加入している会社員 | 20,000円/月額 (年間240,000円) |
確定給付年金(厚生年金基金)と企業型確定拠出年金に加入している会社員 | 12,000円/月額 (年間144,000円) |
確定給付年金(厚生年金基金)に加入している会社員 | 12,000円/月額 (年間144,000円) |
公務員など | 12,000円/月額 (年間144,000円) |
第3号被保険者 専業主婦(主夫) | 23,000円/月額 (年間276,000円) |
iDeCoの税制メリット

iDeCoの税制メリットは3つ。掛け金を拠出する時、運用している時、積立金を受け取る時です。
【iDeCoの優遇税制】 ① 掛け金が全額、所得控除となる ② 運用益が非課税になる ③ 一時金で受け取ると退職所得になる
掛け金が全額、所得控除となる

つまりどういうことでしょうか?

所得税というのは、収入が高いほど税金が高くなります。
所得控除がどうお得になるのか、まず所得税の速算表を確認しましょう。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
累進課税制度といい、所得金額が高いほど課税される額も高くなります。そこでiDeCoを活用した際に、拠出した金額が全額所得控除となります。控除というのは税金から除外するということで例えば所得金額が3,300,000円の会社に企業年金のない会社員がiDeCo を10,000円/月を拠出している場合、1年間で12万円控除されます。そうすると3,300,000円ー120,000円=3,180,000円となり、税率が20%から10%に節税ができる! ということです。計算すると
3,300,000円✖️20%−427,500円=232,500円の所得税 3,180,000円✖️10%−97,500円=220,500円の所得税 232,500円−220,500円=12,000円の所得税の節税 さらに住民税も12,000円の節税 合計で24,000円節税となる
運用益が非課税となる

資産運用して儲けた金額にも税金がかかるんですか!?

そうですね。通常の株式投資では、売却した際の利益に対して20.315%の所得税・住民税が課せられます。
iDeCoでは、一切課税されないというメリットがあります。例えば、10万円の利益が出た際は丸々利益になります。通常の株式投資であれば、100,000✖️20.315%=20,315円の税金がかかり、差し引き79,685円の利益になります。約20,000円も利益に差が出ますね。
一時金で受け取ると退職所得となる

退職所得となると何が良いのでしょうか?

退職所得はその名の通り、退職金のことです。退職金に対しても税金がかかるのですが、老後のための資金なので退職所得控除という大きな控除があります。ただ、控除といっても退職金➕iDeCoで金額が大きくなり過ぎると税金が発生します。
自営業者や退職金制度のない会社員等、退職金代わりにiDeCoでの積立は退職金控除を利用できお勧めです。
つみたてNISA

つみたてNISA? 他にもあるのですか?

そうですね。NISAは一般NISAとつみたてNISAとジュニアNISAがあります。ジュニアNISAは2023年で精度が廃止されますが、2023年までの積立は制度適用されますので、余剰資金がある方は活用しましょう。今回は老後資金の積立ということでつみたてNISAを学習していきましょう。
つみたてNISAは老後資金としてコツコツと積み立てるのが前提です。そのため、非課税期間は長く20年そして商品も金融庁が定める基準を満たした金融商品なので、安心感があります。投資初心者におすすめの「長期・積立・分散」投資のまさに打って付けの制度です。今から始める方はぜひチャレンジしたい優遇制度です。
【つみたてNISAの優遇制度】 ① 非課税期間が20年 ② 商品が長期・分散投資に最適(金融庁が剪定した安心の銘柄) ③ 非課税枠は毎年40万円まで
非課税期間が20年間

20年間非課税!? 長いですね!!

つみたてNISAは前述の通り、老後資金を積み立てるのに最適な制度です。長期でじっくりと運用することができます。長期で運用すると複利の恩恵を受けやすくなりますよ。
商品が長期・分散投資に最適

投資初心者におすすめの投資手法「長期・積立・分散」投資に向いた商品を金融庁が選んでくれている? 安心感あります。

そうですね。投資商品も手数料がバカ高いぼったくり投資信託と言われるものも数多く存在します。金融庁の定める基準を満たした商品のみなので、ぼったくり投資信託はありません。ここも投資初心者におすすめできるポイントです。
つみたてNISAは手数料水準が一定以下など、金融庁のお墨付きの公募株式投資信託と上場投資信託(ETF)が対象商品です。商品選定も自分で選び自己責任ですが最初から優良な商品を金融庁がピックアップしてくれているのは心強いですね! どれを選んでも大外れはしない可能性が高いのです。詳細は金融庁の「NISA特設ウェブサイト」をご覧ください。
非課税枠は毎年40万円まで
最大20年間投資できるので、非課税で保有できる投資総額は40万円✖️20年間で最大800万円となります。コツコツと長期で積み立てると大きな資産になりますね。
資産運用 まとめ
最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。iDeCoとつみたてNISAは投資初心者でも始めやすい制度です。まだ、投資を始めたことのない方でも少額から始められる投資です。ぜひ、チャレンジしてみましょう!※投資は自己責任です。今回で『累計30万部の「テク」シリーズ『ムダを減らして、増やして安心! お金の使い方テク』は最終回です。この後、「所得税とその控除について知る」という章があります。また、紹介してきた内容をさらに詳しくまとめられていますので、詳しく知りたい方はぜひ本書をお買い求めください!
それでは、また!
コメント