
はい! マナビトです。マーケティングのかんたん解説のマーケティング・フレームワーク編の7回目です。初心者にも非常に分かりやすく解説されている『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門』を参考に、マーケティングを甘くみていた過去の自分へ向けた、そして知識を定着させるために簡単にまとめてみようと思います。
前回のかんたん振り返り
前回は「何を売るのか(WHAT)」でしたね。消費者がそのブランドを選ぶ必然性、購入する根源的な理由が「何を売るのか?(WHAT)」での戦略的な選択です。マーケティング・フレームワークのWHATとは、ブランド・エクイティーの中で最も根源的な便益(ベネフィット)の構成部分つまり「戦略的ブランド・エクイティー」のことでしたね。それでは、今回はポジショニングについて学習していきましょう。
ポジショニングについて

ポジショニングですか。ポジションを取るとか、ポジショントークとかの似た意味ですか

マナビトさぁん、勘が鋭いですね! そうですね、ポジショニングはマーケティングにおいては消費者の頭の中にある競合との相対的な位置づけのことなんですよ。ちなみにポジションを取るは元々は投資用語でしたが、転じて自分の立場を表明するという意味、ポジショントークは自分の立場・立ち位置に由来して話をすることが転じて自分の立場を利用して自分に有利な話をするという使われ方をしていますね。

位置付けっていうことは分かるのですが、相対的ってどういうことでしょうか?
マーケティング用語のポジショニングとは、消費者の頭の中にある競合と相対的な位置付けのことを言います。高級感なのか、信頼性・安心感なのか、低価格なのか、デザイン性なのか等、各社はブランド・エクイティーを競っていますが、消費者の購入理由に最も影響を与えるブランド・エクイティーの近くにポジショニングすることが販売に有利となります。消費者が高級感を求めているのに、低価格のブランド・エクイティーにポジショニングしても、それは目標(ターゲット)を見誤っているということですね。
商品カテゴリーによって、ブランド・エクイティーは違いますが他社にない単独のブランド・エクイティーがあれば、それが軸となるブランド・エクイティーとなり消費者の選択する可能性は高まります。「〇〇といえば、△△社だよね!」と認知されると強いですね。
しかしながら、ほとんどの場合商品を購入する軸となるエクイティーは、そのカテゴリーのNo.1が独占しているでしょう。独占しているからこそ、そのカテゴリーのNo.1シェアを誇っているのです。あなたは挑戦者として、ポジショニングを崩しにいくのです。方法はさまざまで、正攻法として既存の軸を奪いにいくのか、別の価値観の軸を創出して競争の軸を変えて現在の価値観を陳腐化する等があります。
ポジショニングは相対的である


ポジショニング、だいぶ分かってきました。まだ、ポジショニングは相対的という意味が分かりません。

そうですね。相対的の反対語として絶対的という言葉がありますね。絶対的にということは「他と価値を比べても揺るがない価値」ということですね。反対に相対的ということは「他と価値を比べた時の価値」

他と価値を比べた時の価値ですか!?
例えば、あなたが安心感を軸とするブランド・エクイティーを確立しており、市場も安心感を求めているとします。そうするとあなたは市場において有利なのは明白です。しかしながら、1社2社3社と続々と安心感を打ち出す競合が出てきた場合はどうでしょうか? 元々「安心感といえばあなた!」という状態から「安心感を各社比較するとあなたかな〜」と軸が揺らいでいるのがお分かりでしょうか? また、市場において消費者の考え・価値観が安心感を重視するよりデザイン性を重視するようになった場合はどうでしょうか? 元々、10人中10人が安心感を求めていたのに、そのうちの4人がデザイン性を求めるように消費者の考え・価値観があなたの軸となるブランド・エクイティーと変わるとあなたを選ぶ消費者は少なくなります。
このように、あなたが全く動かなくても競合や消費者の価値観が動くことで、あなたの軸となるブランド・エクイティーが動かされてしまうことが起こるのです。反対にいえば、全く動かないという競合のブランド・エクイティーもあなたがポジショニングを動かすことによって、消費者の頭の中(考え・価値観)を動かし競合を揺らがすことも可能なのです。
絶対王者に見える競合もその強固なポジショニングを崩すことは不可能ではありません。当然王者も誰がどんなポジショニングで仕掛けてくるかと考えていますので、表面にはみえない頭脳戦が日々繰り広げられているのです。
個人のポジショニング
最後までご覧いただきありがとうございます。あなたは働くことにおいて、どうポジショニングをしていますか? 今は安泰でも明日は分かりません。競合の動き、世の中の流れを常にウォッチする必要がありますね。例えば、会社員というポジショニング。年功序列で終身雇用・退職金制度という意味では、さまざまな問題があるにせよ会社員は安定というポジショニングを長年築き上げてきました。しかしながら、現在は目まぐるしい社会変化で会社員=安定というポジショニングは崩れてきています。このままのポジショニングを取り続けるのか、副業や起業をするのか、こんな時代だからこそ終身雇用を守るという企業へ転職するのか、それとも別の選択があるのか? どう生き残るかという頭脳戦は日々繰り広げられていますね。何も考えないのはもはやNG、あなたに最適なポジショニングを見つけていきましょう。それでは、また!
コメント